研究会の記録(2024年度)

研究会の記録(2024年度)

2024年度も,オンライン形式で,月例の研究会を行います。

2024年度第1回 4月25日(木)

4月25日(木) 13:00-14:30

本年度の科研費研究の運営方針について

  • 塚井先生の新規基盤(B)との共通部分が多いため,今回より政策大日比野直彦先生が出席し,議論に加わってもらいます.
  • 海外から来賓を呼んでリアルの研究会をしたい(7ー8月?)
  • 当初配分を超える支出要望があれば奥村まで.

研究紹介

  • 公共交通NW運賃最適化(須ヶ間)モデルの効率的解法の開発(塚井先生)
  • 新規基盤(B)(塚井,山口,須ヶ間,奥村,日比野)の概要(塚井先生)

2024年度第2回 5月27日(月)

5月27日(月)14:40-15:30

研究紹介

・土木計画学春大会における,環境制約下の最適都市間交通網の最適化(複数の交通モードの役割に着目して)(元木・奥村)の発表に関する質疑の紹介

 建設段階を考えない静的なモデルで,これまでの日本の計画・建設の歴史を一旦無視して、特性の異なる複数のモードを(これまでの経緯と関係なく)最適に組み合わせるとしたときの,あり方を議論しているつもり.

 しかし与える需要の元となっている地域の人口分布がそもそも,過去の歴史の中で交通網のあり方に依存して徐々に培われてきたものである.

 歴史的な経緯,文脈を無視した分析は,やはり意味がないのか?研究の意義・スタンスについて,意見交換を行なった.

本年度の活動に関する情報交換

・計画学秋大会(11/15(金)-17(日):岡山大学)に関して,都市間交通の企画セッション申し込みを例年通り,塚井,山口で進める.

2024年度第3回 6月27日(木)

6月27日(木)13:00-14:40

研究紹介

・コロナ蔓延期の業務上の会議に関するオンライン調査(2時点)の分析(塚井・円山・奥村)に関するATRS論文の概要紹介

Web調査会社のモニターに対する2時点(2021年,2023年)のクロスセクション調査で,広島都市圏,熊本都市圏の勤務者のオンライン・対面での業務上の会議への参加回数を調査している

業種及び職種(管理・技術・事務)の違い,相手先の位置(自都市,首都圏,その他)ごとに,オンラインと対面の会議実施回数(月間)を尋ねている.合わせて,オンライン会議と対面会議に対する質的な評価も尋ねている.

個々の回答者のIDを通じて,2時点のパネル回答者がたどれるのかは今後確認

調査結果から,対面は減り,オンラインがそれ以上に増えているが,これらは職種による.忙しい人の会議は増え,少ない人の会議が減るという2極化が起きている.

2024年度第4回 7月22日(月)

7月22日(月)14:40-15:40

情報交換1 

公共交通NW運賃最適化(須ヶ間)モデルの計算効率化のための,離散最適化理論の利用可能性について(奥村)

上記のモデルは所与の交通ネットワークのリンク部分に,サービス(運行頻度)を割り付け,運行費用を賄うようにOD間の運賃を定めて,実現する一般化費用と交通量を求め,それらの2次関数である消費者余剰を地域内で集計した総消費者余剰最大化問題となっている.

操作変数のうち,各リンクへのサービス提供の有無を表す0-1変数群と,一旦それらが決まってから後に決める運行頻度,運賃,OD交通量などの連続変数群がある.

前者の0-1変数群に対しては.離散最適化であるので,厳密な最適解を求めるには,基本的には2のL乗の組み合わせをしらみつぶしに探索する必要がある.

この時,2のL乗の組み合わせに,何らかの包含関係のような規則性を導入できれば,同じグループに属する組み合わせの目的間数値の取りうる範囲(上・下界)を簡単な計算で評価でき,分肢限定に用いることができる可能性がある.

現時点では,マトロイド性が利用できるのではないかと期待を寄せている.

もう少し研究が進んだ段階で,林先生から離散最適化の研究者に取り次いでいただく可能性を確認した.

情報交換2

沖縄での新しい軌道系交通導入に向けての,所要時間の信頼性に対する県民の認識の低さの問題について(神谷先生)

沖縄への新しい軌道系交通の必要性について大学生に意見を聞くと,県外出身者は50人中45人が定時性などの理由で軌道系が必要と答えるのに対して,県内出身者は50人中1人にとどまりその理由も車が嫌いだからという回答であった.

この定時性に対する認識の違いにより,軌道系やBRT整備への県民の賛同が得られず,道路整備以外の事業への賛同が得られない状況にある.

食べ物に恵まれる低緯度地方では,そもそも時間信頼性や計画性が重視されないという文化人類学的な違いがあるのではないか?

飛行機の時間に合わせるなどの状況では,時間の信頼性が問題になるのでは?ただし,過去大阪空港アクセスの方向別シェア,仙台空港アクセス自動車の通過時刻の鉄道開業前後の比較を行ったが,明瞭な違いは検出できなかった.これは空港が郊外にあり,バスや自動車でも,空港行きの方向の時間信頼性が高いからかもしれない.

南米(ボリビア)やタイにおいても,時間信頼性はないものとして行動せざるを得ない.空港などに向けては,相当早めの出発を余儀なくされ,無駄な時間利用につながっている.

これまでに経験,実感していない「時間的信頼性」を説明材料とすることは困難で,むしろ,(距離帯の違う交通の)ヒエラルキーを明確にした拠点の設定を進めるのが実際的だと思う.

那覇市北側の断面交通量は,東海道浜松付近の断面交通量よりも大きく,それを道路のみで処理するのは相当に無理がある.

有料道路の高額化や河川・海の交通など,渋滞の影響がない時間確実性の高い選択肢を実際に用意し,空港がらみの交通において効果的に利用できるという実例を積み上げていく必要があるのではないか?

多くの修学旅行では,首里城をバスの終着点を首里城とし,その観光後はモノレールで那覇空港に移動することで,時間信頼性の低さを回避しているという実態がある.

2024年度第5回 8月22日(木)

8月22日(木)13:00-14:40

研究紹介(杉下先生)

・航空遅延ネットワーク分析

遅延・波及の原因として,1)機材繰り,2)空港混雑,乗り継ぎ待ちを全て考慮した.

日本の2019年におけるOAGデータに基づき,NW上の遅延を再現するAgentBasedModelを作成

(1) 同一機体の連続使用において20-50分のサービス時間を機種サイズごとに設定

(2) 空港毎,日毎に設定した1時間出発数の設定最大値に合わせて,最小出発間隔を設定

空港毎にService Time中に存在できる機材の数を,実績値から確認し最大値として与える

(3)各空港における航空会社別の航空便間の乗継の可能性を考慮するため,航空旅客流動データから乗り継ぎ発生の可能性を生成.先行到着便から後の出発便までの待ち時間が長いほど,直接乗り継ぎが行われる確率が小さいと考え,乗り継ぎのための「待ち」を考慮した.

2024年度第6回 10月29日(火)

10月29日(火)14:40-16:10

研究紹介(金子先生)

異常時における都市間滞在者の時間変化

(1) 2019.10 R1台風19号北陸新幹線運休:石川県の首都圏居住者の滞在数

(2) 2023.8.23 R5台風7号:東海道新幹線計画運休 大阪府の首都圏居住者滞在数

(3) 2024.1.2 羽田空港事故後の欠航:地方各県の首都圏居住者滞在者数

1時間毎の滞在数 → 差分(超過流出・流入)→ヒストグラムのカイ2乗検定

(質疑)

時系列を生かす検定方法の方が良いか?

(3)において,2018年と2024年で,曜日配列は同じとしても,企業の休日が増えていたり,羽田以外の空港の発着便利用が増えている(沖縄など)

(連絡事項)

・11月17日の広島駅前懇親会は19:30-21:30 18日広島駅見学広島空港ヒアリングを予定している.

2024年度第7回 12月3日(火)

12月3日(火)14:40-15:40

研究紹介(塚井先生)

熊本都市圏のGPS軌跡データのモバ空データを用いた拡大(Khin Inguin 氏の修士研究)

(1) 2021年1月に,熊本県に滞在履歴のあるGPS軌跡データ 0.6m/s(歩行速度)を超える移動, 70m移動半径ごとに滞在を判定

(2) 移動場所(熊本都市圏PTのCゾーン)の時間帯別滞在人数に変換,cos類似度で少数の代表的トリップチェインを残す.

(3) 日・時間帯ごとのCゾーン別滞在者数を(2)の線形和で説明するようなLasso回帰を行い,トリップチェインに拡大係数を付与した

(質疑)

PT,GPS,モバ空のどれを「真値」と考えているのか? → モバ空(対象数が多く観測分散が小さいので)

PTを代替する手法の開発を目指しているのか? → ある程度は.

(連絡事項)

・Armin Zhang先生を招聘しての国際シンポの可能性として,来年の7月上旬の香港でのARTSの前後が考えられる.引き続き花岡先生に調整してもらう。

・関連で,ATRS(Air Transport Research Society)での発表を考えてほしい.2025年7月1日~4日 https://www.atrsworld.org/

  • 次回研究会は,12月24日(火)14:40-16:10

2024年度第8回 12月24日(火)

12月24日(火)14:40-15:40

研究紹介(須ヶ間先生)

Advances Air Mobility の導入が,都市間の移動コストに与える影響(日本都市計画学会全国大会発表論文)

2024年度第9回 1月28日(火)

1月28日(火)14:40-16:10

研究紹介(林先生)

Fujita-Ogawa Model の数値解の解法と性質

2024年度第10回 3月22日(土)

東京科学大学 石川台キャンパス 8号館(オンサイト+オンライン併用)

3月22日(土)10:00-16:40

研究紹介(須ヶ間先生)NW最適化問題への機械学習アプローチ

研究紹介(塚井先生)PTとモバイル空間統計データの統合

研究紹介(神谷先生)沖縄のバス交通の課題と人流データによる解析

研究紹介(金子先生)モバ空カスタマイズ統計とWeb調査に基づく新幹線計画運休の影響分析

研究紹介(日比野先生)超高層ビルの建設と働き方の多様化が鉄道需要にもたらす影響

研究紹介(山口先生)需要変動を考慮した3モードの最適都市間交通NW形状分析

研究紹介(花岡先生) 日本の貿易物流における海空モード選択の分析

研究紹介(奥村)PTとモバ空データに基づく帰社帰宅困難者の推定